百回泣くこと


初めて中村航という作家の本を読んだ。そして、一発でこの作家が好きになった。人物設定の書き方、人物描写のうまさ、揺れ動く気持ちの書き方。どれをとってもすばらしい。


以下あらすじ。

100回泣くこと (小学館文庫)
実家で飼っていた愛犬・ブックが死にそうだ、という連絡を受けた僕は、彼女から「バイクで帰ってあげなよ」といわれる。ブックは、僕の2ストのバイクが吐き出すエンジン音が何より大好きだったのだ。4年近く乗っていなかったバイク。彼女と一緒にキャブレターを分解し、そこで、僕は彼女に「結婚しよう」と告げた。彼女は、1年間(結婚の)練習をしよう、といってくれた。愛犬も一命を取り留めた。愛犬→バイク修理→プロポーズ??。幸せの連続線」はこのままどこまでも続くんだ、と思っていた。ずっとずっと続くんだと思っていた。精緻にしてキュート、清冽で伸びやか。今、最注目の野間文芸新人賞作家が放つ恋愛長編。


浜辺で貝殻を見つけるぐらい普通の内容なのにこんなに感動するのはなぜだろう?もともと僕は恋愛小説というものはあまり読まない。本屋にいったときになんとなく手を伸ばしてしまったので、そのまま買ってみたのだが非常に面白く読むことが出来た。読み出してとまらずに一冊読みきったというのも久しぶりだ。


恋愛小説というのもいいものだなぁ。他の作品も読んでみよう。