六番目の小夜子

恩田陸のデビュー作ということで、読んでみた。

六番目の小夜子 (新潮文庫)
津村沙世子―とある地方の高校にやってきた、美しく謎めいた転校生。高校には十数年間にわたり、奇妙なゲームが受け継がれていた。三年に一度、サヨコと呼ばれる生徒が、見えざる手によって選ばれるのだ。そして今年は、「六番目のサヨコ」が誕生する年だった。学園生活、友情、恋愛。やがては失われる青春の輝きを美しい水晶に封じ込め、漆黒の恐怖で包みこんだ、伝説のデビュー作。


さすが、恩田陸。読み出したら止まらず一気に最後まで読んでしまう。色々なぞが残ったままでになっているのが少々心残りだが、純粋に面白い。この作家の青春描画は非常にすばらしい。触れたら壊れてしまいそうなほど繊細な少年時代をきっちりと描画しており、読んでいてついつい笑顔になってしまう。


あぁ。僕にもこんな時代があったなぁ。あの頃の僕はもうちょっとまじめで、人生にも明るく生きていた気がする。ほろ苦い青春時代を思い出したい方にはオススメの一冊。