独白するユニバーサル横メルカトル

独白するユニバーサル横メルカトル

2007年「このミステリーがすごい」第1位。
ミステリチャンネル「闘うベストテン2006」第3位。

輝かしい実績を持つこの本。
そしてこの輝かしい実績を見てこの本を買った僕。


読んだ感想は「どっと疲れる」
すんごいグロい。この本。。。


短編集なのだがどの話でも確実に人は死ぬし、
人間の裏っかわといえばいいのか黒い部分が前面に出ている。
しかし、どの話もきちんとうまい落ちがついている。
そこは非常にすばらしい。

ただ、世間一般の人がこの本を面白いと思えるのかと思うと、
「それはどうなんだろう・・・」っと疑問に思ってしまう。


この本を読んで非常に感心した一説がある。

レバーを下げると報酬が出てくるレバーがあるとする。最初は毎回レバーを下げると報酬を出していたとしよう。それを3回に1回、5回に1回、10回に1回と変動させていくと対象はレバーを下げるのをやめるどころか報酬が出てくるまでレバーを下げ続けるのである。
これは本当だろう。非常に興味深い。

パチンコが本当にいい例だと思う。
1万で大当たりを引くこともあれば10万以上かかることもある。
しかし、人間は次こそ早く引くだろうとやめないのだ。

また、次の人がすぐに引いたらどうしようなどと考え出すと、
もうどつぼにはまったように同じ台を打ち続けてしまう。

事実、僕もそうだし僕の周りにもそのようなことを話す人は多い。

この一説が読めただけでもこの本を読んだ甲斐はあったと思う。
あのパチンコというものにはこの心理がかかっていたのかぁと納得してしまった。