IPV6はなぜ普及しない?

もう何年も前からIPアドレスは枯渇すると言われ、IPV6の時代がもうじきやってくると言われている。これからSEを続けていく上でIPV6について学んでいたのだが、僕としてはどうしてもIPV6が普及するとは思えなくなってきてしまった。なぜ僕がそのような考えになったのかといえば、以下のURLが一番の原因である。これが書かれたのは2003年6月と非常に古いようだが、的確にIPV6が普及しない理由をかけていると思う。


覚悟はできてますか? - トンでもなく高価なIPv6


僕が考えるIPV6が普及しない理由は大きく3つある。


1つ目は、「IPV6IPV4と互換性が無い」ということだ。これについては上記URLに詳しく書いてあるため説明は省く。


2つ目は、「セキュリティ」の問題である。巷でもよく言われているが、ユーザ全員がグローバルIPを取得した世界を考えてほしい。会社で言えば、今までは各種サーバのログを管理して社員の監視が出来ていたのが、ルータなどのネットワーク機器を使用してユーザを管理しなければならなくなるのである。これは非常に手間のかかる作業であり、このようなコストをどこが出すのかがさっぱりわからない。家庭用PCを考えた場合も、セキュリティのセの字も知らないようなユーザの場合は、狼の群れに放たれた羊のようにあっさりと毒牙にかかることだろう。ハッカー等には天国のような世界ではあるが、一般ユーザがこれを受け入れるとは思えない・・・。


3つ目は、「本当にIPV4では対応できないのか?」ということである。頑張れば何とかなるのではないかと常々思っているのは僕だけだろうか?タイでインフラの作業を行っていた人の話だが、社内でしか使用しないはずのサーバにもグローバルIPを振っていたというのである。理由は「ただ余っていたから」だというのだから驚きだ。アジア圏内のIPアドレスの増加が一番の原因だといわれているが、このような話を聞くとまだ技術が発展していない場所でIPアドレスを無駄に使用しているからIPアドレスの枯渇するのではないかと考えられてならない。


以上のことから、僕はIPV6は普及しないのではないかと考えている。もしくは、PCのネットワークとは全く別次元でIPV6を普及させるというのであればそれは普及するのではないかと思う。例えば、テレビ放送、電話のような家電製品だ。これらのためだけにIPV6を使用した別回線を引けば、新たなインフラ構築となるため、まだうまくいく可能性があるのではないかと思う。


地デジみたいに無理やりな政策でもやらない限りIPV6がコンピュータの世界で主流となるのは先の話なんだと思う。ただ、もしその政策がでたとしたら、それには大人の事情が多数はびこんでいるだろうが。。。地デジも大人の事情が見え隠れしていると考えているのは僕だけではないはずだ・・・。