営業と技術の分業

多重下請けの構造にSEが営業しないのが理由だって話が出てるけど、多重下請けの構造をぶち壊せる営業が出来るSEなんて会社にはいないんじゃないの?っていう話。

下請け会社が一般的に行う営業

一般的な会社には「営業職」という人たちもいるんだよね。僕がよく聞く中小企業の営業職の人たちは何をしているかというと、大手企業とかに話を聞きにいって仕事が無いかってのを聞いて紹介してもらうことだと思うんだ。人が足りないところを常にアンテナを張って探して、自分の会社の人間をねじ込むことで仕事をとるってのを下請け会社では一般的に営業って言うと思うんだよね。

SEがやっている営業

SEが営業をやっていないって感じで話が進んでいるんだけど、「下請け会社が一般的に行う営業」ってのはSEでもやってるんだよね。仕事をやってるプロジェクトの人が足りなくなったりだとか、その同じ会社の別プロジェクトで人が足りなくなったりだとかすると、「うちの会社にいいひといまっせ。」みたいな感じで人を紹介したりするんだよね。もちろんそれは営業経由で人の手配をしてもらったりするんだけど、SEが全く営業をやって無いってわけではなくて、「下請け会社が一般的に行う営業」はSEでもやってるんだ。

多重下請けをなくす営業

で、世間で言っている「SEが営業をしないから仕事が無い」っていわれてる営業は確実に↑で書いている営業じゃないよね。

世間が言っている「営業」っていうのは元は無いところから新規で仕事を開拓する「営業」のことを言ってるはずなんだ。だって、すでに有る仕事を回してもらう「営業」を続けたとしても多重下請けがなくなるわけが無いわけで、となると新規で仕事を開拓する「営業」をやれって言ってるはずなんだよね。

これってすごくない?

とりあえず、片っ端から電話をかけたりとかして、「なにかPCで困ってることありませんか?」とか聞いてまわればいいの。それで、システム構築の話を請け負ったりだとか、ソフト開発の話を請け負ったりだとかしろっていってるのかな。例えば、米屋に電話して米を簡単に発注できるシステムを作りませんか?とか話してみたりするのかな。床屋に電話して床屋に特化したシステムを作るんでお金をくれませんか?とか話をしにいけっていってるのかな。

それで仕事が取れるんであればSEは会社に属する必要なくない?

一般的なシステム会社って営業職と技術職で分業されてると思うんだ。営業職が仕事を取ってきて、それを技術職が円滑にこなす。これが営業と技術の分業なんじゃないかな。技術職に営業職が営業して仕事を取ってこいって言い出したら、それは営業が職務放棄してるのと一緒だし、逆に技術が営業から技術について質問されたことを営業にそれぐらい調べろって言うのは技術が職務放棄しているのと一緒だと思うんだよね。普通の人は技術に長けている人か営業に長けている人に分かれて、どっちも出来る人なんてそうそういないんだよね。だから人は会社いうものに属することで自分が苦手な部分を補ってもらって仕事をこなしていけるんだと思うんだよね。

多重下請けをなくす営業ができるSEなんて、そんな人は会社というものに属して無いよ。だって、自分ひとりで仕事したほうがよっぽど儲かるし、人が足りないんなら人を雇って会社作ればいいんだし。